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Originally Posted by masaegu
迷子ちゃん、ありがとう!迷子ちゃんなら私が言いたか った事、分かってくれると思っていました。さすがです !
また少し難しい事を言うのでゆっくり読んでね。
日本人は昔から基本的に、「海の向こうにはおもしろい 物があるに違いない」と思って生きてきました。もちろ んこれは中国・朝鮮との交流が始まった後からの事です 。
初めて中国人と遭遇した時に相当なショックを受けたは ずなんです。日本人は海の向こうに他の国がある事を知 らなかった訳ですから。大きな船を見たのも初めてだっ たし、「文字」というものが世の中にあると知ったのも 初めての経験でした。日本人にとって中国は憧れの最先 端の国になった訳です。良い物、かっこいい物がすべて 揃った国が中国だったんです。
それで、文字(=漢字)というものを中国人から習い、 漢字だけでは日本語が書きにくいと気付いたのでカナを 発明しました。千年以上たった今でも、漢語(中国から 入った単語。音読みの単語。)は大和言葉(やまとこと ば。元々日本にあった単語。訓読みの単語)よりも格の 高い言葉としての地位を保っています。
漢語を積極的に受け入れた歴史があるので、この数百年 で欧州言語から新しい単語をそのままカナで受け入れる のは非常に自然な流れだったんです。ところが、この日 本語に関する歴史を知らない人たちは、日本人はカタカ ナの言葉を使い過ぎると言うのです。私からすれば大き な勘違いです。どんなに多くのカタカナ言葉を使ってい るとしても、その数百倍の漢語を使っているからです。 漢語も外国から来ているんです。
つまり、日本人はその時代時代で文化的・経済的影響を 受けた国々から新しい言葉やコンセプトを受け入れてき たのです。日本語そのものに柔軟性があったと言うより は、日本人の思考にそれがあったと考えるべきでしょう 。
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若者の米国への関心の低下は、それ自体は悪い事ではあ りません。9.11の影響が大きかったのも事実でしょ うし、それ以前にすでに若者の興味がアジアに向いてい たのも事実なんです。テレビでも15―20くらい前か ら急にアジアに関する番組が増えました。ある意味での 「灯台下暗し」だったんですね。アメリカやヨーロッパ 中心に関心があった我々世代の日本人は、そのために近 場のアジアを見落としていたんです。この矛盾に若い世 代が気付いたのではないでしょうか。
私が子どもの頃、アジアの様子はほとんどテレビで見ら れませんでした。中国には自由に行くことさえできませ んでした。ところがアジア各国の発展とともに、急に日 本人が興味を持ち始めたのです。明確に言えるのは、今 の方が健全であると言う事です。
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同感です。 そもそも天武天皇が古事記の編纂を命じた 段階で古い日本語が失われていて全てを理解する者がい ないと嘆いていたそうです。 また各地方や部族ごとに 言語も異なっていたそうです。 そこで色々な言葉や伝 承を暗誦出来る稗田阿礼に白羽の矢が立ったみたいです 。
古事記に記された言語を標準語化(漢字部分に指標とな る振り仮名を付けたり)するのと同時に土着の伝承や神 話を一括化して皇室の正当性を全国にアピールするのが 目的だったとはいえ、 古事記はふることふみと読むこ ともできるので、現代風に言い換えれば(古事文、古言 文)といっても良いかも知れないですね。 明治時代に 標準語を制定した以上の偉業です。
話逸れましたけど、それくらい昔から日本語は外来要素 を取り込んで変化し続けてきたわけですから、今時の言 語が乱れていると指摘するのもおかしな話ですよね。